バランススコアーカードが役に立つ

 「○×▽□バランス経営指針書」の背景


◆キャプランとノートンの新指標
バランススコア−カードは、これらの企業活動の目標を「ビジョンと戦略」との調整を取ると共に、アクションに落とし込み、成長と競争力を付け、企業の未来を切り開く『戦略的マネジメント・システム』として欧米で利用され始めました。
バランスコア−カードは、ロバート・キャプラン(Robert Kaplan)ハーバード大学教授と経営コンサルタントのディビット・ノートン(David Norton)が、1992年に提唱した新しい企業の総合的業績評価モデルが出発点となっています。

◆「スコア-カード」ってなに?
スコア−カードとは、ゴルフの「スコア−カード(採点表)」と同じ意味です。企業業績を採点し、より良く実践する中で、指標自体に改良が加えられ、やがて戦略的経営システムにまで発展したものです。その意味である種の「マネジメント・システム」なのです。
現在、アメリカではフォーチュン1000社の40%以上が利用していますし、日本でもリコー、日本フィリップス、富士ゼロックスなど有名企業が序々に導入を始めました。




◆バランススコアーカード基本モデル


◆ 飛行機のコックピット計器
飛行機を操縦するのに、過去の飛行記録(=財務指標)だけで安全に目的地に到達することはできないでしょう。
現在地と目的地を明確にし、方向、スピード、高度、途中の気象などのデータを把握して、顧客を快適・安全に運ぶのが飛行機のコックピット計器の役割ですが、キャプランとノートンは「バランススコアーカード」をこれに喩えています。


◆ 「絵に描いた餅」にしないために
バランススコアーカードは、企業運営における出発点たる「ビジョンを実現する戦略」を監視する4つの視点を決めています。これが「顧客の視点」「業務プロセスの視点」「人材と変革の視点」「財務的視点」であり、つまりビジョンを「絵に描いた餅」にしないための監視点と考えると分りやすいのです。



◆ 簡単な「監視項目」
バランススコアーカードが多くの企業に利用され始めたのは、役に立つからであり、その監視内容が分り易いからです。

◆「マルコムボルドリッジ賞」と4視点
従来の「総資本利益率」「流動比率」などの財務指標は、「デュポン・システム」と呼ばれ、過去の結果報告から生まれた、いわば「死亡原因診断書」に過ぎません。
そこで「競争と変化」が激しい現代においては、企業の将来性や「顧客満足」などの「生きた非財務指標」を含む診断モデルが求められていました。
こうした経営全体のバランスを評価する代表格として米国議会によって制定された「マルコムボルドリッジ賞」が挙げられます。キャプランとノートンの評価基準は、その中の指標を「4つの視点」にポイントを絞ったものと考える方が理解しやすいでしょう。
4つの視点とは、上記の「顧客の視点」「業務プロセスの視点」「人材と変革の視点」「財務視点」です。

◆「バランススコア-」は展開計画
バランススコア−カードの構築は、それぞれの企業で様々にアレンジされている。基本的なフレームワークは6つのステップを踏むものが多いのです。
  1) ビジョンと戦略の設定
  2) 重要成功要因分析による視点の設定
  3) 戦略目標の設定
  4) 業績評価指標の設定
  5) ターゲットの設定とアクションプランの設定
  6) バランススコア−カードの運用
ISO2000年版が「目標管理」による品質システムだとすれば、このブレークダウンしてゆく「展開計画」の方法が大変参考になるのではないでしょうか。

◆「ビジョンと戦略」設定のポイント
「ビジョンと戦略」を設定する時の基礎は、環境分析であるのは当然である。したがってSWOT分析(自社の強み、弱み、チャンス、脅威と位置を分析)が重要となる。
ここでは単なる現状把握ではなく、自社の強みをさらに強くする分析が重要なのです。


◆ ISOの2000年版も「目標管理」の強化
ISO2000年版では、経営者の「品質方針」を基に各部長・事業所長が「品質目標」を立てることになります。さらに、従来以上にその「品質目標」を各担当者がブレイク・ダウンして「各自の目標」を実行させていく過程が重視されています。
いわば2000年版は「目標管理制度」とも言われています。しかし、組織にとってその「活動目標」はさまざまなものがあります。例えば、「品質目標」の他に「安全目標」「利益目標」「売上目標」「研究開発目標」「従業員育成目標」などさまざまです。これらの企業活動の目標を「ビジョンと戦略」との調整を取ると共に、アクションに落とし込み、成長と競争力を付けることが必要なのです。